東京にもない「東京チカラめし」 大阪日本橋店が国内唯一の店舗に

東京にもない「東京チカラめし」 大阪日本橋店が国内唯一の店舗に

今から10年ほど前、名物の「焼き牛丼」で一世を風靡した牛丼専門店「東京チカラめし」。近年は店舗網を関東・関西の数店舗に縮小して細々と営業を続けていたが、11月からは大阪日本橋店が国内唯一の店舗となった。


現在の店舗


かつては、ビルの壁面全てにチカラめしの大きな看板を掲げていた時代もあった
(左は2015年6月、右はオープン当日の2012年10月25日撮影)

東京チカラめしは、2011年に1号店を東京・池袋にオープン。一般的な牛丼のように肉を「煮る」のではなく「焼く」ことで香ばしさを出した牛丼がブレイクし、最盛期には全国で100店舗以上を展開、大手チェーンを猛追する勢いを見せた。特に日本橋の店舗は関西への初進出、さらに「吉野家」撤退跡への出店だったこともあり、業界の新旧交代の象徴としてメディアに取り上げられることも多い店舗であった。
しかし、拙速な店舗網拡大に人材の育成が追いつかず店舗のクオリティ低下を招き、客離れが顕在化。また競合各社による対抗商品の投入によってブームも短期間で失速、店舗の閉店が相次いだ。さらには2020年以降のコロナ禍による外食需要の低迷も相まって、同年末の時点では関東2店舗・関西2店舗の計4店舗にまで減少していた。
その4店舗も、2021年5月に寺田町店(大阪市生野区)、2022年8月に新宿西口1号店(東京都新宿区)が閉店。そして関東唯一となった新鎌ケ谷店(千葉県鎌ケ谷市)も11月4日での閉店が発表され、国内で残る店舗は大阪日本橋店のみとなった(海外では香港とバンコクで、現地企業によるライセンス店舗が数店舗営業中)。
なお、運営会社のSANKO MARKETING FOODS(本社・東京都新宿区)は東京チカラめしの“再興”を諦めておらず、現在は東京都内で新店舗オープンに向けた物件を探しているという。

住所:浪速区日本橋3-5-29

■関連リンク
東京チカラめし

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