上新電機、新「日本橋店」をオープン 日本橋での店舗再編も総仕上げ

上新電機、新「日本橋店」をオープン 日本橋での店舗再編も総仕上げ

家電量販店大手の上新電機(本社・大阪市浪速区)は、創業の地・日本橋での新たな旗艦店となる「ジョーシン日本橋店」を11月5日にオープンした。


▲店舗外観とフロアガイド

上新電機は1948年に日本橋でパーツ販売店「上新電気商会」として創業、その後の法人化を経て1958年に現社名となり、1976年の日本橋本店(現・スーパーキッズランド本店)出店を機に全国で大型店の出店を本格化、家電量販店大手の一角へと成長した。
その過程で、日本橋の店舗群が全体の売上に占める割合は徐々に低下していったものの、日本橋から本社を移転することはなく、また“お膝元”での店舗展開においても相応の存在感を保ち続け、1990年代の最盛期には日本橋・難波周辺でさまざまな業態の店舗を大小取り混ぜ20店舗近く展開していた。
しかし、2000年代以降は関東から大阪市内中心部へ進出したヨドバシカメラやビックカメラといった“カメラ系量販店”との競合で劣勢に立たされたことや郊外型店舗の強化もあり、日本橋での店舗網は年々縮小傾向に。
さらに2020年から続くコロナ禍の影響もあり、同年秋には日本橋における店舗の大幅再編を発表。それまで日本橋5丁目・地下鉄恵美須町駅近くで個別に展開していた家電(ジョーシン日本橋1ばん館)・音楽ソフト&ゲーム(ディスクピア)・PC(J&Pテクノランド)の専門店3店舗を同年中に全て閉店した上で今後はそれらを1店舗に集約するとし、旧「ディスクピア」跡で新店舗の建設に着手。また新店舗完成までの間、旧「J&P」跡にて上記内容の店舗を暫定的に営業していた(今年10月16日に閉店済)。

今回の新店舗は地上7階建、店舗面積は5,148㎡。1階はおもちゃ・ゲーム類を中心とした「キッズランド」と時計専門の「メガウォッチ」フロア、2階は音楽・映像ソフトの「ディスクピア」フロア、3・4階はPCと周辺機器・パーツ類の「J&P」フロア、5・6階は家電とオーディオのフロア、7階はイベントフロアで構成する。
上新電機では新店舗について「総合家電の豊富なラインナップに加え、高級オーディオ、音楽・映像ソフト、ハイスペック自作パソコンなど、長年お客さまにご支持いただいている商品を取り揃え、EC事業との連携・リユースビジネス活性化の拠点機能をも併せ持つ店舗として生まれ変わる」(2020年9月28日付プレスリリース)としており、同社が日本橋で展開する模型の大型専門店「スーパーキッズランド本店」との相乗効果も見込むという。


▲商店街のアーケードに並ぶ開店記念の幟


▲系列の模型専門店「スーパーキッズランド本店」とも近接する


▲店舗に隣接して駐車場棟も設置(旧「ジョーシン日本橋1ばん館」跡)

ただ、今回の新店舗が目論見通りの成功を収めるかについてはやや不安な点も。
日本橋から徒歩圏内の難波周辺では、すでにビックカメラ・エディオン・ヤマダデンキの各社が大阪市内での旗艦店と位置づけた大型店舗を出店済みだが、それらの店舗面積はいずれも15,000㎡前後。かたや、上新電機の新店舗はその3分の1程度の面積に過ぎず、規模だけを見れば劣勢の感は否めない。


▲日本橋・難波周辺の大型家電量販店分布


▲旧店舗と比べると確かに「でっかく」はなっているのだが……
(カード会員宛に届いたダイレクトメールより)

もちろん、店舗の魅力や集客力は単純な規模の大小ではなく、価格や接客をはじめとしたさまざまな要素の組み合わせによって決定されることは言うまでもないが、新店舗では果たしてどの部分にフォーカスしていくのか。立地と規模のハンデを跳ね返し、これまでの顧客にもサプライズを与えるような斬新な店舗づくりに期待したいところ。
なお、上新電機の日本橋での今後の店舗展開は、当店と「スーパーキッズランド本店」の2店舗のみとなる。

住所:浪速区日本橋5-9-5

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ジョーシン日本橋店

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