日本橋西1丁目・オタロード南端で営業中のカフェ「創作空間caféアトリエ 日本橋店」(日本橋西1-5-5 ミズホビル5F)は、現在地での営業を12月29日で終了することを発表した。
同店は2017年10月にオープン。「美術部みたいなカフェ」をコンセプトに、店内に常備されたさまざまな画材を使い創作活動ができるスペースとして女性客を中心に人気を集め、今年1月には中崎町に2号店も出店。営業は好調と見られていただけに周囲からは驚きを持って受け止められたが、同店のオーナー店長である安田佳那子(きゃん)さんが店舗の公式ツイッターアカウントで営業終了の真相を明らかにすると、その内容が大きな反響を呼ぶこととなった。
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彼女のツイートによると、オープンからわずか1年足らずの昨年12月、大家から家賃の大幅値上げを一方的に通告されたことが事の発端だという。その際には不当な値上げとして受諾しない旨を伝えたが、今年6月になると再び「契約更新」を名目に賃貸借契約書に記載のない追加保証金の差入や清掃等諸経費の別途請求など、大家からの要求はさらに不可解かつ強硬なものにエスカレート。
これらについても弁護士と相談の上で、法的根拠がないとして拒否する姿勢を見せたところ、8月には大家の代理人より、それまでの要求を全て受け入れた上で入居を続けるか退去するかの選択を迫られ、ついには要求に応じない場合は営業を不可能にするための「実力行使」も辞さないとの恫喝まで受けるに至り、理不尽とは感じつつも顧客やスタッフの安全を最優先に考え、退店に踏み切るという苦渋の判断に追い込まれた。
きゃんさんは「夢だったカフェを開業してたった2年で、交渉の余地のない一方的な要求により辞めざるを得ないのが悔しくてダメージが大きい」とその心情を吐露してツイートを締めくくっているが、本サイトの取材に対しては「早期の営業再開に向け、すでに新たな物件探しなどを始めている」とコメントしており、詳細が決定次第できるだけ早く発表したいとしている。
また、2号店の中崎町店についてはこの件の影響はなく、来年以降も引き続き営業する。
最後に、余談ではあるが大家は同店の退店を前提に早速次の入居者を募集している模様。とはいえ、既存の入居者がここまでの目に遭わされるような物件に果たして次の入居者は現れるのか、それはそれで興味深いところでもある。
■関連サイト
創作空間caféアトリエ 日本橋店
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